最悪の新学期
新学期。桜が綺麗に咲いて、気温も暖かくぽかぽかしてこれから始まる新しいことにわくわくする。幼稚園から小学校へ、ガラケーからスマホへ、サナギから蝶へ、新しいことの始まりはいつもそわそわしてどこか落ち着かない。
私はそんな春が苦手だった。
え?なんでみんな仲良くなっているの????
私が新学期に必ず感じる感情だ
最初はみんな大人しくてお互いがお互いの空気を確かめ合っている
これはまだわかる
だけど次の瞬間、〇〇ちゃんだよね?よろしくという会話が始まり、そうだよ〜よろしくね!というテンプレみたいな展開が始まる
私はそれが不思議だった
なんで話しかけられるんだろう
向こうは自分のことを知らない、自分も向こうのことをよく知らない
それなのにどうして積極的に友達を作っていけるんだろう
こんな疑問を感じ、私がひとり席に座っている間にも彼女達は友達の友達にも話しかけ、どんどん私がひとりになっていく
そんな新学期をいつも過ごしていた
結局1人になるのが嫌で焦って最終的にオタクの塊みたいなさえないグループに入れてもらう
グループが決まるまでの間寂しくて不安でどうしていいのかわからず授業中もトイレも昼休みにも目に涙を溜めてしまうことがあった
国語の教科書にひとりについての文章が書かれていて、なんだか今の私に合っているようで授業後に泣いてしまったこともある
でもグループが決まれば、涙はひっこむ
要するにひとりでいたくないだけなのだ
寂しくて1人が辛くてどうしようもないなんの力もないただの高校生である
高校2年生の新学期はいつもと違った
本当にひとりも知り合いがいない
今までは何回か話したことある、同じグループだという友達が何人かいた
でも今回はひとりもいない
正確にはいたが、私はあの人をもう友達とは呼ばないだろう
これはいつか詳しく話したい
私は焦った
1人も知り合いがいない+他のクラスからこのクラスは陽キャラが多いと言われる+先生からこのクラスはうるさいぞ〜と言われる
という理由からこのクラス絶対やばいなと思っていた
ドキドキしながら4月にクラスに入った
コロナの休み明けだったから久しぶりの学校
マスクをつけてる生徒がたくさんいてなんだか不思議に感じた
結果
本当にやばかった
休み時間になれば誰も席に座っている人がいない
トイレ行こうー、なんて名前なの??、好きな人いる?、など会話が聞こえてきて想像の10倍もとんでもなく陽キャラな人がたくさんいた
今までわたしが経験している中では同じ陰キャラの人が1人か2人はいたはずだった
しかし今回のクラスは陰キャラがひとりしかいない
恐怖を覚えた
ライオンの檻の中に入れられた小さい鳥みたいな気分だ
先生はなにを考えているのだろう
本当にしんどかった
そんな私でも一応友達を作る努力はした
隣の人に話しかけてみた
だけど会話が全然続かない
隣の席の子は私の前の席の子と元々同じクラスで仲がいいらしく私なんかと仲良くする気は全然ないみたいだった
それでも今日はあの子に話しかけられた、明日はあの子に話しかけてみようなどと自分で計画を立てて頑張っていた
その時期はお笑いが好きで本当に救われていた
毎日ぺこぱという日めくりカレンダーを毎日めくって松陰寺さんの言ってくれる名言になんとか自分を奮い立たせていた
部活の友達も仲良くしてくれた
陰キャラの私でも優しく接してくれて本当に助かった
でも友達できた〜?と聞かれてできたよーと泣きそうになりながら答えていた
それだけが辛かった
こう書いていると自分が悲劇のヒロインで頑張っているみたいな書き方だが、全然頑張っていないしもっと友達なんて気楽に作ればいいということを私は知っている
1人でももちろんいいのだ
自ら好んで1人になっても誰も何も責めない
色んな人と仲良くする、特定の人と仲良くしないそれで1人になることもありだ
だけどあの時の私はそれができなかった
誰かと一緒にいたいという考えから抜け出せなかった
もちろん今でも1人はとても嫌だ
誰かと一緒にいないと不安だし周りの目が気になって仕方ない
多分また4月に戻っても同じ結果になるだろう
結局私は友達ができず、1人になってしまった
5月のある日、私は学校に行きたくなくて母の前で泣いてしまった
ズル休みをするのはそれが初めてだ
親は行きなさい!と言っていたが、私はどうしても行きたくなくてベットに潜り込んでしまった
母は1日休んだら明日も行けなくなるよ!とか言っていた
そんなことはわかっている
でも自分のいまのこの心を守らなければ多分心が死んでしまう
そんな思いで対抗し続け、体調が悪いということで私は休みになった
次の日からは学校に行ったがちょくちょく休みがちになった
行けたとしても午後から、2限からなどフルで行ける日はほぼなくなってしまった
こうなるとより行きにくくなる
クラスの人たちは私が行ってもなんとも思わないだろう
でも腫れ物に触るような感覚がとても嫌で嫌で仕方ない
これは私が好きな本「コンビニ人間」作 村田沙耶香の『皆、少し遠ざかりながら私に身体を傾け、それでも目だけはどこか好奇心を交えながら不気味な生き物を見るように、こちらに向けられていた』という一文にとても共感する
これは全然違うかもしれない
クラスの人たちは私なんかに興味なんてないかもしれないし誰かに嫌がらせをされているわけでもない
だから自意識過剰なのだ
この癖がなければもっと私は生きやすくなるのになあと思っている
あれから9ヶ月がたった今でも私は毎日学校に満足に行くことができない
医者にも行ったが、特に病名がつくわけでもなく
特に効かない薬を飲み続けながら学校に行っている
今は留年が心配だ
こうしてブログを書いてる今も休んでしまった
母には留年になるよ??いいの?と脅され続けている
留年は絶対にしたくない
社会のレールから外れるのは怖いからだ
とっくに外れてるよと思っている人もいるかもしれない
でも私は多分これからも無理な時は無理、行ける時はいける、そんなマイペースで進んでいくのだろう
社会不適合者で本当に申し訳ない
こんな身で大学に行きたいと思っているのも申し訳ない
だけど仕方ない
これがわたしなのである
逆に小学校中学校で不登校にならない日があったのが不思議なくらいだ
なんで今まで頑張って行けてたのだろう
朝は遅刻しそうだけどなんとかホームルームに合わせて学校に行き、授業を受け、宿題をやる
そんな当たり前のことが急にできなくなった
もういいやめんどくさいと思うようになってしまった
こんな身で生きていけるのだろうか
そんな不安を明日も明後日も抱いていくのだろう